私が紹介するのは、「元祖辛麺屋 桝元」。その名の通り辛麺を展開しているお店だ。
宮崎県で誕生したお店だが、北九州にも何店舗かある。
桝元では、醤油ベースのスープが美味しい「元祖辛麺」を中心とした辛麺、サイドメニューである「桝元名物 なんこつ」、そして一皿5個入りの餃子などを販売している。
私は1年ほど前、母から桝元のことを教えてもらって、家族でときどき行くようになった。
父、母、私は辛いものが得意なのだが、私の妹ふたりは辛いものがほとんど食べられない。
しかし、この店はそんな私たちにもぴったりだった。
そう、この桝元では辛さが選べるのだ。
辛さが選べると聞くと、「中辛」や「激辛」などと思う人も多いと思うが、桝元の辛さの種類はなかなか面白い。

なんと、辛さがまったくない「0辛」から、言葉が一切出ないほどの辛さを誇る「30辛」まである。
自分は辛い物好きだけど、友達や恋人は辛い物が苦手という人も、気にせず楽しむことができるのだ。
私は、桝元に来たら必ず食べるものがある。
桝元の辛麺といえば「元祖辛麺」なのだが、私はいつも「トマトの辛麺」を食べている。
桝元では、醤油ベースの「元祖辛麺」だけでなく、他にもカレー味の「カレ麺」、豆乳ベースの「白い辛麺」、そして「トマトの辛麺」が販売されている。「トマトの辛麺」はトマトの酸味があまりなく、トマトの甘みやまろやかな味を楽しむことができる辛麺だ。
そしてトマトの辛麺にトッピングするのにおすすめなものがある。

それはチーズだ。
トマトの辛麺にチーズを入れることで、イタリアン風の辛麺になるような気がする。
トマトの辛麺を口に運んで最初に来るのは、やはり「辛ッ」という舌からの叫び。
しかし、その後一瞬でトマトのまろやかな味が来るのだ。
ただただ辛いだけではない。
トマトのまろやかな味が辛さを抑えてくれている。
これは何辛を選んだかで変わってくるかもしれないが、ずっと辛さが続くというわけではない。
トマトの甘みが辛さを抑えつつも、舌やのどには正直にひりひりと来ていて、だんだん暑くなってきて汗がドバドバ吹き出る感じがする。
この感覚に、私は見事にハマってしまった。
惜しみなく使ってあるニラや、卵、ひき肉も辛麺のおいしさを引き出している。
麺もスープとマッチしていてとてもおいしい。
そしておすすめしたいのが、スープを全部飲み干すこと。
スープが一番おいしいので、残すのはもったいない気がする。というか残しているものがあったら私が飲みたいくらいだ。
そのくらいおいしいので、麺を食べた後スープを少し飲んで終わりにせず、ぜひスープを飲み干してほしい(責任はとれないので無理はしないで)。
私は、学校で嫌なことがあったときやいらいらしたときに、桝元のトマトの辛麺がめちゃくちゃ食べたくなる。
私にとって桝元は、なんだか心を落ち着かせてくれる、「心の癒し」的な存在なのかもしれない。
皆さんにとっても、そういった類のものが一つはあるだろう。
この「元祖辛麺屋 桝元」は、本当に一度食べたらやめられなくなる、いつでも食べたい味の辛麺を提供しているのである。
気になった人は、ぜひ食べに行ってほしい。
(作・田﨑さくらさん)